日本の補聴器の満足度が低い理由とその対策②

日本の補聴器満足度を高めるための対策

補聴器の満足度向上のためには、患者、医療従事者、補聴器業界全体が連携して取り組む必要があります。

早期装用の啓発と推進:

  • 難聴は早期に対応することで、補聴器の効果を最大限に引き出しやすいため、聞こえの変化に気づいたら早めに専門医を受診するよう啓発活動を行うことが重要です。
  • 耳鼻咽喉科医が補聴器の必要性を適切に判断し、患者に早期装用を勧めるようにする必要があります。

②補聴器に関する正しい知識の普及:

  • 補聴器は単に音を大きくする機器ではなく、適切な調整やリハビリテーションが不可欠であることを広く周知する必要があります。
  • 公的補助制度に関する情報を積極的に提供し、経済的な負担を軽減することが重要です。

専門性の高い人材育成と質の向上:

  • 認定補聴器技能者や言語聴覚士などの専門家育成を強化し、質の高いカウンセリング、検査(測定)、調整を提供できる体制を整備する必要があります。
  • 医療機関と補聴器販売店との連携を強化し、患者に対してより専門的で包括的なサポートを提供できるようにする必要があります。(地域との連携も大切になります)

購入後のサポート体制の強化:

  • 補聴器購入後の定期的な調整や相談、聞こえのリハビリテーションなどを充実させることで、長期的な満足度向上を目指す必要があります。
  • 補聴器の効果測定や評価を適切に行い、必要に応じて再調整を行う仕組みを確立することが重要です。

聞こえのバリアフリー化の推進:

  • 補聴器装用者が社会生活を送る上で不便を感じないよう、公共の場やコミュニケーション環境の整備を進める必要があります。(合理的配慮の法律が施行されていますが、進んでいないのが現状です)

補聴器に対するイメージの改善:

  • 最新の補聴器のデザイン性や機能性の向上を積極的にアピールし、ネガティブなイメージを払拭する努力が必要です。

販売方法の見直し:

  • 対面での丁寧なカウンセリングと調整を重視する販売方法を推奨し、安易な通信販売などでの購入を控えるよう啓発する必要があります。

これらの対策を総合的に実施することで、日本の補聴器の満足度が高まり、より多くの難聴者が聞こえの改善を通じて豊かな生活を送れるようになることが期待されます。


これらの対策は、日本の補聴器の満足度向上に向けた重要な一歩となるでしょう。一人ひとりの聞こえのニーズに寄り添い、質の高いサポートを提供することで、補聴器がより身近で、生活を豊かにする選択肢となるはずです。聞こえに不安を感じたら、まずは専門家にご相談ください。

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