【聴覚障がい】ディナーテーブル症候群とは?──食卓で感じる孤独とその対策

食卓にひそむ「孤立感」を知っていますか?

家族や友人と囲む楽しい食卓。
しかし、聴覚に障がいがある人にとっては、会話に入れないつらい場面になることもあります。
この状況を表す言葉が「ディナーテーブル症候群」。
今回は、その意味や起こりやすいシチュエーション、そして周囲ができる配慮について、わかりやすく解説します。


ディナーテーブル症候群とは?

「ディナーテーブル症候群」とは、
聴覚障がいのある人が、家族やグループでの食事中に会話についていけず、孤独感や疎外感を抱く状況を指します。

名前の由来は、家族団らんの象徴である「ディナーテーブル(食卓)」で、
聞こえないことによる孤立が起こることから来ています。


どんなときに起こる?

ディナーテーブル症候群は、次のような場面で起こりやすいと言われています。

  • 会話のスピードが速い
    → 聴覚障がいのある人には、内容を理解する時間が足りないことがあります。
  • 複数の人が同時に話す
    → 誰が何を話しているか分からず、会話の流れに乗れなくなります。
  • 話題がどんどん変わる
    → 聞き取りづらいと、次のテーマについていくことが難しくなります。
  • 話す人の顔が見えない
    → 口の動きから言葉を読む「読話」ができず、理解が難しくなります。
  • 騒がしい環境
    → 食器の音や周囲の雑音が、さらに聴き取りを難しくします。



ディナーテーブル症候群による影響

ディナーテーブル症候群がもたらす影響は、決して小さくありません。

  • 孤立感・疎外感
  • コミュニケーション不足
  • 自己肯定感の低下
  • 精神的ストレスの増加
  • 家族や友人との関係に溝ができる

楽しいはずの食卓が、本人にとっては「つらい場所」になってしまうこともあるのです。


ディナーテーブル症候群への対策

聴覚障がいのある方が安心して会話に加われるよう、周囲の小さな配慮が大切です。

すぐにできる工夫

ゆっくり、はっきり話す
誰が話しているかを示す(指さし・アイコンタクト)
必要なら繰り返したり言い換えたりする
筆談やチャットを活用する
できるだけ静かな環境で話す
顔が見える位置に座る


まとめ──思いやりの輪を広げよう

ディナーテーブル症候群は、誰かの努力だけで解決できる問題ではありません
家族や友人、周囲の人たちが、少しの心配りをすることで、
聴覚障がいのある方も、安心して会話を楽しめる場をつくることができます。

みんなで「聞こえやすい」「わかりやすい」食卓を目指しましょう!

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