ミトコンドリアが増加すると
ミトコンドリアが増えるとどうなるか
ミトコンドリアを増やすことで、身体には以下のような効果が期待できます
●疲れにくいカラダになる
ミトコンドリアが増えることで、細胞内のエネルギー生産が増加し、結果的に身体の疲れにくさにつながります
例えば、筋肉細胞では、運動によってミトコンドリアの数が増加します
これにより、運動時に必要なエネルギーをより多く生産することができます
また、ミトコンドリアの数が増加することで、筋肉細胞内での有酸素運動における乳酸の蓄積を抑制することができ、疲れにくい体質につながります
●ダイエット効果
ミトコンドリアが増えることで、身体内の脂肪酸代謝も促進されます
脂肪酸は、ミトコンドリアで酸化されることでエネルギーに変換されます
脂肪酸のエネルギー利用効率が上がると、体脂肪を燃焼しやすくなるため、ダイエット効果が期待できます
▶ダイエットに効果的な理由
●アンチエイジング効果
活性酸素は、細胞の老化や病気の原因になることがあります
活性酸素は、強力な酸化力を持っており、活性酸素が増加すると、細胞膜、DNA、タンパク質などの細胞内の様々な分子に損傷を与え、細胞の機能低下や老化を引き起こすことがあります
しかし、ミトコンドリアが増えることで、細胞内の酸化ストレスを軽減することができます
よって、アンチエイジング効果が期待されます
●免疫力が高まる
免疫細胞は、ミトコンドリアが生産するATPをエネルギー源としています
免疫細胞には、他の細胞と同様、ミトコンドリアが必要であり、これによって免疫力が維持されます
したがって、ミトコンドリアが増えることで、免疫細胞に十分にエネルギーを供給することができるので、免疫ケア・免疫維持に効果的です
『WIRED』 VOL.22より 「ミトコンドリアが増えるほどカラダは元気になる」
『あらゆる病気は、細胞内のエネルギー工場・ミトコンドリアの量が足りていないことが原因だ』
と、30年以上にわたってミトコンドリアと健康の関係を追い続けてきた、ミトコンドリア研究の第一人者・日本医科大学・太田成男教授はおっしゃいます。
逆に言えば、ミトコンドリアを増やせばずっと健康でいられるということでしょう。
(『WIRED』 VOL.22より転載)
人間が、動いたり、考えたり、はたまた恋をしたりすることができるのは、ひとえにエネルギーがあるからだ。
そのエネルギーをつくっているのが、「ミトコンドリア」と呼ばれる細胞内小器官である。
「人間を含めた高等生物は、もともとは遺伝子をつくる生物とエネルギーをつくる生物の2つが合体して生まれています。
そのエネルギーをつくる生物が、現在のミトコンドリアです。
ミトコンドリアがなければ、間違いなくわたしたち人間は存在していないでしょう」
「ミトコンドリアが増えるほどカラダは元気になる」
と太田成男教授は続ける。
「極端に言えば、病気とは『ミトコンドリアが足りなくなった状態』のことをいいます。
身体には悪くなったところを治す力がもともと備わっていますが、治すためにはエネルギーが必要。
エネルギーが十分にあれば、すなわちミトコンドリアが十分にあれば、病気になっても必ず健康になることができるのです」
ミトコンドリアが活性化すると寿命も延びるのでしょうか?
2024年7月19日 15:00
東京工科大学 応用生物学部 佐藤拓己 教授
■ミトコンドリアが活性化すると寿命も延びるのでしょうか?
結論から言うと、延びます。寿命研究の実験によく使う線虫という生物がいるのですが、線虫の場合、ミトコンドリアを活性化させるピルビン酸やオギザロ酢酸を添加すると数10%も寿命が延びます。
逆に解糖系を活性化するブドウ糖や果糖を添加すると寿命が短くなります。ですから解糖系を使うよりも、ミトコンドリアを使ったほうがずっと健康長寿でいられます。
寿命というのは実質臓器がダメになるよりも、よりもむしろ血管がダメになって尽きることが多い。
たとえば脳溢血も狭心症も、臓器そのものではなく血管がダメになって起きる疾患です。
ですから私は血管さえ老化させなければ少なくとも寿命は100歳まで伸ばせるのではないかと思っています。
そして先ほど説明したようにミトコンドリアが活性化すると細胞も活性化すると血管は若く保たれるため、「人はミトコンドリアと共に生きる」というのが私の研究と人生の持論なのです。