🧠 認知症の主なリスク要因と予防対策

~難聴は予防可能な最大のリスク~


🔍 認知症の発症リスクは「修正できるかどうか」で分類されます

分類内容割合(推定)
修正可能なリスク要因生活習慣や医療介入で予防・改善が可能約40%
修正できないリスク要因年齢や遺伝など避けられないもの約60%

❌ 修正できないリスク要因(約60%)

  • 加齢:年齢が上がるにつれ、発症率が上昇
  • 遺伝:家族に認知症患者がいるとややリスク増
  • 低学歴:教育歴の短さが発症リスクと関連
  • 性別:女性の方がやや発症率が高い傾向

✅ 修正可能なリスク要因(約40%)

難聴が最も大きなリスク要因(約7%)として注目されています

リスク要因リスクへの寄与率(概算)対策の方向性
🎧 難聴約7%早期発見・補聴器などでの聴覚サポート
🚬 喫煙約5%禁煙支援・習慣改善
😔 うつ病約4%早期治療・相談体制
🧍‍♂️ 社会的孤立約4%地域活動・交流促進
🩺 高血圧(中年期)約2%血圧管理・生活習慣改善
👀 視力低下(高齢期)約2%メガネや眼科治療の適切な対応
🍔 肥満(中年期)約1%食事・運動による体重管理
🩻 糖尿病約1%血糖コントロール・治療継続
🌫 大気汚染約1%環境対策・外出時の工夫
🧠 外傷性脳損傷非常に重要転倒防止・ヘルメット利用など
🧠 認知活動の不足数値不明読書・脳トレ・学びの継続
🍺 過度の飲酒数値不明節酒・断酒の支援

🧠 なぜ「難聴」が最大のリスク要因なのか?

難聴が認知症の発症に強く関わる理由は次のとおりです:

  1. 認知負荷が増す
     聞き取りが困難になると、脳は「聞くこと」にエネルギーを使い過ぎ、記憶や判断など他の認知機能に影響が出る。
  2. 社会的孤立が進む
     会話が億劫になることで、人付き合いが減り、孤立や抑うつに繋がる。
  3. 脳の構造的変化が起きる
     聴覚への刺激が減ることで、脳の聴覚野を中心とした領域の萎縮が見られることも。

🎯 認知症予防のためにできること

🔹 難聴への早期対応

  • 定期的な聴力チェック(特に50代以降)
    ※半年に1回が推奨されていますが、少なくとも年に1回は測定しましょう
  • 補聴器やヒアリングサポート機器の活用
  • 聞こえに不安がある場合は早めに専門機関へ

🔹 健康的な生活習慣

  • バランスのとれた食事
  • 有酸素運動・筋力維持
  • 禁煙・節酒・睡眠の質の確保
  • ストレス管理と心のケア
  • 口腔ケアも脳と関係がある

🔹 脳と社会を動かす習慣

  • 読書、学び、パズル、音読などの認知トレーニング
  • 家族・友人との交流、地域活動、ボランティアなどの社会参加
  • 視力のチェックと適切なメガネ使用

📅 年代別のアプローチ

年代主な対策
20~30代健康的な生活習慣を築く、知的活動を楽しむ
40~50代高血圧・肥満・聴力変化への注意、早期検診
60代以降補聴器や眼鏡の活用、社会参加、日常的な会話を大切に

💬 聞こえを守ることが「脳を守る」第一歩

「年のせいだから」とあきらめず、聞こえの変化に気づいたら、早めの相談と対策を。

聴力の低下は誰にでも起こりますが、
そのままにしておくと、認知症のリスクを高める要因になってしまいます。

「聞こえ」のケアは、「こころ」と「脳」を守るケアでもあります。

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