lr-hearing はじめに
「補聴器を着けたら、すぐに普通に聞こえるようになるんでしょ？」
実は…それ、少し違います！
補聴器は魔法の道具ではありません。
今回は、補聴器の本当の効果と限界、そして使いこなすためのコツを、やさしくお伝えします。
補聴器で“完全に元通り”は難しい理由
❶ 聞こえの神経は、一度衰えると戻らない
多くの難聴は「感音性難聴」といって、音を感じ取る神経の劣化が原因です。
補聴器で音を大きくしても、脳で正しく処理できなければ「言葉として理解」できません。
❷ すべての音が聞こえるようになるわけではない
補聴器は周囲の音全体を拾います。
そのため、雑音も一緒に聞こえることがあります。
👂「音は聞こえるけど、何を言っているか分からない」という状態になりやすいです。
それでも補聴器は“頼れる味方”！
では、意味がないのか？ そんなことはありません！
✅ 脳の聞き取り能力を“維持”することができる
補聴器を使わないでいると、脳の「聞き取り機能」もどんどん低下してしまいます。
少しでも早く、長く補聴器を使い続けることで、脳の働きを維持する助けになります。
✅ 正しく使えば、生活が格段にラクに
「家族との会話が弾む」
「テレビの音が小さくて済む」
「外出が苦にならない」
…というように、生活の質（QOL）が大きく改善します。
補聴器に慣れるには「リハビリ」が必要
👟 補聴器は“履き慣れる靴”と同じ
最初は違和感があっても、少しずつ慣れていきます。
補聴器を使いこなすには、新しい靴を履き慣らすように、段階的に慣れていくことが大切です。
最近では、聞こえの訓練の観点から、可能な限り早い時間から積極的に装用することが推奨される傾向にあります。ただし、無理のない範囲で進めましょう。
| 時期 | 場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 使い始め (1～2週間) | 静かな場所 (自宅など) | 可能な範囲で積極的に装用時間を確保 👂 自分の声や周囲の小さな音に意識的に耳を傾ける 👂 音量や聞こえ方に違和感がないか確認する |
| 慣らし期間 (2週間～1ヶ月) | 日常生活 (近所の散歩、買い物など) | 様々な音環境で少しずつ装用時間を延ばす 🚶♀️ 日常的な音環境での聞こえに慣れる 🗣️ 会話が聞き取りやすい音量に調整する |
| 慣れの中期 (1ヶ月～3ヶ月) | やや騒がしい場所 (スーパー、 公共交通機関など) | 積極的に装用する時間を増やし、聞こえの幅を広げる 📢 聞こえにくいと感じる場合は、無理せず静かな場所で休憩する 🗣️ 聞き返しを恐れず、積極的に会話に参加してみる |
| 安定期 (3ヶ月以降) | 様々な場所 (会議、 レストラン など) | 色々な音環境で積極的に試す 👂 補聴器を通して聞こえる音に意識的に注意を向ける 👨⚕️ 定期的な調整で常に快適な聞こえを保つ 🗣️ 聞こえの改善を実感し、積極的にコミュニケーションを楽しむ |
大切なこと:
諦めずに、聞こえる喜びを実感できるまで、積極的に補聴器を活用しましょう。
可能な範囲で、早い時期から積極的に装用時間を確保することが、脳の聞こえの訓練には重要です。
※ただし、疲れを感じたり、不快感がある場合は無理せず休憩しましょう。
聞こえにくい、うるさいなど感じたら、自己判断せずに専門家（認定補聴器技能者）に相談し、調整してもらいましょう。
積極的に音のある環境に身を置き、補聴器を通して聞こえる音に意識的に耳を傾けることが、慣れるためのポイントです。
※聞こえの能力や補聴器の機能によっては、騒がしい環境などは難しい場合があります
まとめ
- 補聴器は「聞こえの練習機」と考えるのが正解！
- 脳の聞き取り力をサポートしてくれる大切な道具です
- 大事なのは、“正しく選んで”“正しく使う”こと！
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