🔎【要注意】難聴が転倒リスクを高める5つの理由と予防策

「最近つまずきやすくなった…」 「足元が不安定に感じる…」

難聴が進むと、日常生活のさまざまな場面で転倒の危険性が高まることが分かっています。ジョンズ・ホプキンズ大学の研究では、軽度の難聴でも転倒リスクが約3倍になることが確認されています。

さらに、聴力の低下が進むほど転倒の危険性は増し、聴力が10dB低下するごとに転倒リスクは1.4倍増加すると報告されています。難聴を放置すると、脳の情報処理やバランス機能に負担がかかり、歩行時の安全性が低下します。

また、転倒時に頭を強く打つことで発生する外傷性脳損傷(TBI)のリスクも無視できません。転倒予防のためには、聴覚ケアが非常に重要です。

🔍 難聴が転倒リスクを高める主な5つの要因

1. 空間認識能力の低下
難聴になると、靴音や服がこすれる音、人の足音などの小さな音が聞こえづらくなり、周囲の状況把握が難しくなる。結果として、障害物や人との接触に気づくのが遅れ、転倒の危険性が高まる

💡 例えば… 背後から近づく足音や、自転車のベル、近くを通る車の音が聞き取りにくくなり、危険な場面に気づくのが遅れるのです。

2. バランス感覚への影響
内耳には平衡感覚をつかさどる前庭機能があり、聴力が低下するとこの機能にも影響が出やすい。前庭機能の低下が起こると、ふらつきが増し、転倒リスクが高まる。また、視覚情報に頼りすぎると、暗い場所や段差でバランスを崩しやすくなる。

💡 さらに… 聞こえづらいと、人は視覚に頼りがちになりますが、暗い場所や段差では目だけでは足りず、ふらつきやすくなるのです。

3. 認知負荷の増加
難聴になると、音を聞き取るために脳が過剰に働く必要があり、その結果、歩行時の注意力が低下しやすい。特に高齢者では、バランス機能の低下と認知負荷の増大が重なり、転倒リスクが急激に高まる

💡 特に… 人が多い駅や、信号を渡りながら他のことを考えている時など、注意が分散すると転倒リスクがぐっと上がります。

4. 耳石の異常
耳石(じせき)は、内耳の前庭にある小さなカルシウムの粒で、バランス維持に欠かせない役割を果たしています。 加齢や難聴が進行すると、耳石が剥がれて三半規管に入り込み、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を引き起こし、ふらつきや転倒リスクが上昇します。

5. 社会的孤立と身体活動の低下
難聴が進むと、会話が億劫になり、外出や運動が減りがちです。 これが筋力低下を招き、転倒しやすい体になってしまいます。

📊 研究データで裏付けられた事実

難聴がある人の転倒リスク2.4〜3倍に増加
難聴が重いほど転倒リスクが高まる聴力10dB低下ごとに1.4倍増
補聴器使用者の転倒リスク低下する傾向を示す研究あり

💡 補聴器を適切に使うことで、環境音の認識力がアップし、バランスを取りやすくなると考えられています。

🏥 東京都健康長寿医療センターの研究でも確認

難聴と歩行機能の低下が重なることで、転倒リスクがさらに大幅に上昇することが示されています。

具体的には…

  • 難聴がある高齢者は歩行スピードが遅くなる傾向があり、
  • その結果、バランスを崩しやすく、転倒リスクが高まるというデータが報告されています。

💡 この研究は、日本国内でも「聞こえと転倒予防」の重要性を裏付けるものとして注目されています。





📊 高齢者の転倒事故の現状

東京消防庁のデータによると、転倒による救急搬送は年間約6万人にのぼり、そのうち約40%が入院を必要とする重傷を負っています。 また、転倒・転落による死亡者数は交通事故の4倍以上に達しており、転倒予防対策が求められています。

転倒の主な要因

  • 身体機能の低下(筋力・柔軟性・バランス感覚の衰え)
  • 病気や薬の副作用
  • 運動不足

医学的に、耳・目・足の情報が連携してバランスを維持する仕組みが証明されており、難聴が進行するとバランス維持が困難になることが指摘されています。



🩺 外傷性脳損傷(TBI)のリスク

転倒時に頭部を強く打つと、外傷性脳損傷(TBI)を引き起こす可能性があります。 約90%のケースでは直後に意識を失わないため、見た目に異変がなくても時間が経ってから症状が現れることがあります。

転倒が原因で介護が必要になるケース 厚生労働省の調査によると、高齢者の介護の原因の4番目が「骨折・転倒」であり、全体の13%を占めます。

転倒による脳へのダメージは、見た目に異変がなくても、後から深刻な症状が現れることがあるため、注意が必要です。

🔔 転倒予防に補聴器は有効

補聴器は単なる「聞こえを補う」だけでなく、転倒リスクを軽減する可能性があることが、ワシントン大学医学部の研究で示されています。補聴器を使用すると、バランスのテスト結果が向上し、転倒を防ぎやすくなることが確認されました。

補聴器の主な効果

  • 小さな音の認識向上(周囲の状況把握)
  • 方向感覚の改善(障害物回避)
  • 脳への負担軽減(バランス維持に集中)

💡 定期的な聴力検査を受け、難聴を早めにケアすることで、転倒リスクを減らすことができます。



🔔 事実:補聴器の両耳装用で転倒リスクが軽減

実際に、補聴器を装用し始めて、装用なし→片耳→両耳に移行したことで転倒が減少したケースが報告されています。 これは、補聴器が単なる「聞こえを補助する機器」ではなく、バランス維持にも影響を与えることを示しています。

両耳装用のメリットと転倒リスクの軽減

  • 方向感覚の向上 → 片耳だけでは音の方向が分かりにくいが、両耳で補正すると環境音をより正確に認識できる。
  • 脳の負担軽減 → 両耳で聞くことで、脳が音の処理に余計なリソースを使わず、バランス維持に集中できる。
  • 歩行時の安定感が向上 → 環境音の認識力が高まることで、障害物や周囲の人の動きを事前に察知しやすくなる。

補聴器の選択だけでなく、適切な装用方法や両耳での使用が転倒予防に大きな効果をもたらすことが分かっています。

🏆 結論:転倒予防には「聞こえケア」が欠かせない

難聴は、「空間認識の低下」「バランス感覚の低下」「耳石の異常」「脳の負担増加」を通じて、転倒リスクを高める。

外傷性脳損傷や骨折のリスクを防ぐために、補聴器の活用が有効。

転倒は高齢者の介護原因の一因となるため、早めの聴覚ケアが重要。

💡 聞こえに不安があるなら、ぜひご相談ください。
補聴器は、健康寿命を延ばす一歩です!



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