認知症の約4割はリスクを減らせる可能性・日本人のデータが示す最大因子は「高血圧」ではなく「難聴」だった【2026年1月最新論文】

2026年1月、ひとつの重要な論文が発表されました


東海大学の研究チームが、日本人の認知症リスク因子を初めて定量化した研究です

結論は
「日本人の認知症の38.9%は、理論的に予防可能である」

そして、そのカギを握る最大のリスク因子は、多くの人が予想する「高血圧」や「肥満」ではありませんでした

■ 14のリスク因子、日本人の第1位は「難聴」



この研究で示された、日本人の認知症危険因子の寄与割合(推計)上位は以下の通りです

  1. 難聴(6.7%)
  2. 運動不足(6.0%)
  3. 高LDLコレステロール(4.5%)

一般的に健康診断で重視される「高血圧(2.9%)」や「肥満(0.7%)」よりも、「難聴」の影響度が圧倒的に大きいという結果が出たのです

■ なぜ「耳」が脳に影響するのか



「聞こえにくいくらいで、なぜ認知症に?」と思う方も多いはずです
しかし、難聴が認知機能に影響しうるメカニズムは、複数の観点から説明されています

  1. 刺激の欠如(脳への入力が減る
    聴覚からの情報入力が減ると、脳の神経細胞への刺激が減り、脳の活動やネットワークが弱まりやすいと考えられています
  2. 認知資源の枯渇(脳が疲れる)
    「ん?今なんて?」と聞き取る作業だけに脳のエネルギー(リソース)を使い果たしてしまい、記憶や思考に回す余裕が減る状態が続きやすくなります
  3. 社会的孤立の連鎖
    聞こえにくさは会話を億劫にさせ、「社会的孤立(3.5%)」や「うつ(2.6%)」といった他のリスク因子の引き金にもなります

■ 補聴器で認知症は防げるのか?(ACHIEVE試験の教訓)



「じゃあ補聴器をつければいいのか?」 この問いに対する重要なデータがあります
米国の「ACHIEVE試験」です

この研究では、「認知機能低下のリスクが高い集団」において、補聴器による介入が認知機能低下を48%抑制したという結果が出ています
また、7年間の追跡調査(ASPREE研究)でも、補聴器の使用で認知症リスクが33%低下したと報告されています

ここで重要なのは、ただ「補聴器を持っている」だけでは意味がないということです

「正しく調整された補聴器を、適切に使い続けること」



これが予防効果の条件です

通販で買える集音器や、効果を測定しない機器では、脳に必要な「適切な音刺激」を届けることは難しく、かえって耳を傷めるリスクすらあります

通販の集音器などは手軽な一方で、きちんとした調整や効果測定がないまま使用すると必要な音が入りにくく、聞こえの改善につながりにくいことがあります


音量設定によっては負担になる可能性もあるため、心配な場合は耳鼻科や補聴器の専門家に相談するのがおすすめです

今回いちばん大切な話:「老後」ではなく「壮年期」が勝負


この論文で強調したいのは、これは高齢者だけの話ではないという点です

難聴や運動不足、脂質異常など上位のリスク因子は、老年期に突然始まるのではなく、40代・50代(壮年期)から静かに積み上がることが多いからです

そしてこの年代は、仕事でも日常生活でも「聞こえ」が要求される場面が圧倒的に多い時期です
会議や打ち合わせ、電話、車の運転、家族との会話、外食の雑音の中での会話など、聞き取れない場面が増えると、次のようなストレスがじわじわ増えていきます

【こんな兆候はありませんか?】
✅ 聞き返すのが気まずくて、愛想笑いで流してしまう
✅ 話を理解するために常に集中し続けて、帰宅後にどっと疲れる
✅ 会議の内容を聞き漏らす不安がある
✅ 雑音のある場所を避けるようになり、人付き合いが減った
✅ 家族との会話が減り、距離ができたと感じる

ここで怖いのは、「まだ若いから」「頑張れば何とかなる」で我慢が常態化しやすいことです



頑張れば何とかなると思ってしまう



しかし、その我慢は脳にとって大きな負担となり、将来のリスクを高めてしまう可能性があります

今のパフォーマンス維持と、20年後の脳のために



血圧や体重を気にするのと同じように、「聞こえ」も定期的にチェックする



それが壮年期の賢い選択です

■ 結論:血圧計と同じくらい、聴力測定を


新薬など治療の選択肢も広がっていますが、費用や副作用など現実的なハードルもあります


一方で、聴力チェックや適切な聴覚ケアは、生活の質にも直結しやすい「取り組みやすい対策」のひとつです

血圧は測るのに、聴力は測らない
これでは、日本人データで上位に出た重要因子を見落とすことになりかねません


熊本市東区の【ライトヒアリング】では、聴力測定や言葉の測定を起点に、生活場面での困りごとを整理しながら、補聴器の効果を調整・測定しながら、毎日補聴器をご使用いただけるようサポートしています



「最近、聞き返しが増えたかも」という段階でも、まずは現状確認からお気軽にどうぞ



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※認知症予防を保証するものではありません

出典 東海大学プレスリリース(2026年1月) Wasano K, Jorgensen K. The Lancet Regional Health – Western Pacific. DOI: 10.1016/j.lanwpc.2025.101792 https://www.tokai.ac.jp/news/detail/_4_1020.html

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