語音明瞭度の低下と認知症



語音明瞭度の低下と認知症には、非常に深い関係があります。

これは最近の研究でもたびたび指摘されており、聞こえの質(=語音明瞭度)が認知機能に大きな影響を与える可能性があるとされています。

🔍 語音明瞭度とは?

  • 単に「音が聞こえる」だけでなく、言葉をどれだけ正確に聞き取れるかを示す指標
  • 聴力検査では dB(音の大きさ)を測りますが、語音明瞭度は 〇〇%(理解度)で示されます
    • 例:「90dBまで音量を上げても、語音明瞭度が40%」=音をかなり大きくしても、言葉が半分以下しか分からない
        (補聴器の音を大きくしても効果が得られにくい)




🧠 なぜ語音明瞭度が下がると認知機能に影響するのか?

原因・関係性説明
🎧 音声刺激の減少耳から脳への「言葉の刺激」が少なくなるため、言語中枢や記憶系の活動が低下しやすくなる
🤯 認知的負荷の増加聞き取りにくさを補うために、脳が余分なリソースを使い、疲れやすく、集中力が落ちる
🗣️ コミュニケーション減少会話が億劫になる → 人との接触が減る → 社会的孤立 → 認知機能低下リスク↑
🧠 可塑性の低下と脳の萎縮聞かないことで「聞く力」そのものが衰える(脳の可塑性が低下し、聴覚や記憶に関わる部分が萎縮)→ 認知症の発症リスクが高まる



📊 研究データの例(要約)

  • ハーバード大学などの研究では、語音明瞭度の低い人ほど、認知機能のスコアが低い傾向があると報告されています。
  • 難聴がある人は、認知症リスクが約2〜5倍高くなるという研究結果も。


🎧 補聴器装用のメリット(語音明瞭度が下がっている場合)

補聴器の効果認知症予防への寄与
言葉の聞き取り支援脳への刺激を回復・維持する
会話のしやすさ向上社会参加の維持 → 孤立防止
認知的負荷の軽減聞き取れないストレスを減らし、集中力を保てる
補聴リハビリとの併用脳の音声処理能力を回復・補助する可能性

※聴覚リハビリテーションは、可能な限り早期に開始することが、より高い効果を得るために重要です



✅ まとめ:語音明瞭度低下は「認知的な聞こえの障害」

  • 語音明瞭度が下がっている=「脳が言葉の情報をうまく処理できていない」という状態
  • 早期に補聴器を装用し、聞き取り能力を保つ・補うことが、認知症の予防にもつながる
  • 本人に困り感がなくても、語音明瞭度が低ければ、「聞こえのリハビリ」や装用検討が重要

    ※耳鼻科によって、必ずしも最高語音明瞭度測定を実施しているとは限りません
      事前の確認が必要です

    ※当店では、ヘッドフォンでの最高語音明瞭度測定とスピーカーでの語音明瞭度測定を実施しております
     お気軽にご相談ください


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